みなさんは「都市鉱山」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞きなじみのない言葉かと思います。日本には石油や鉱物などの自然資源は存在しないと習ったことがある人も多いと思います。
しかし今日本は金(ゴールド)、銀(シルバー)、白金(プラチナ)、アンチモン(レアメタル)などの資源が数多く眠っている世界有数の資源国だという認識に変わってきています。
日本のどこに素晴らしい自然資源が眠っているのかを紹介していきます。
都市鉱山
日本のどこに自然資源が眠っているのかというと、それは都市鉱山です。
都市鉱山とは携帯電話などのIT製品や家電製品に貴金属やレアメタル(希少金属)が含まれるため、廃棄物を積極的に「採掘可能」な資源と考えて都市を一つの鉱山として考えられたものです。
金は燃えない、錆びない、腐食しない、電気抵抗が低いという特性があるため、精密機械・電子回路に使用されます。つまり、すべてのパソコンや携帯電話などの電子機器には金(ゴールド)が含まれます。世界の鉱山でとれる金は金剛石1トンあたりから平均3グラムしか採掘されません。しかし日本の都市鉱山は1トンあたり平均280gの金(ゴールド)が含まれています。そのため都市鉱山は平均的な鉱山の100倍近い金含有量を誇る優良鉱山ということです。
都市鉱山にある金(ゴールド)の価格
日本にある都市鉱山にある金(ゴールド)は1173トンとされています。その1173トンはどのくらいの価値があるのでしょうか。
2015年の世界の金生産合計額は4306トンを貴金属の単位「トロイオンス(31.1035g)」に換算すると、約3771万トロイオンスになります。
日本円に換算すると約5兆2040億円(1米ドル115円)にもなります。
日本が誇る企業グループの売り上げ高と変わらない量の金(ゴールド)が生産可能だということがわかります。また金(ゴールド)は何度も再利用できます。日本が電子機器などの精密機械に力を入れる限り、この金鉱脈は何度も金(ゴールド)を産出してくれるということになります。
都市鉱山でオリンピックのメダル?
2020年に開催される東京オリンピックでは都市鉱山の金・銀・銅のメダルを作ろうという試みが提唱されています。都市鉱山からの資源を使い活用すると世界にも資源再利用の良いアピールとなるでしょう。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、メダル製造に都市鉱山を活用することについて検討していることが報告されました。リオ五輪では金・銀・銅合わせて5130個のメダルが製造されました。ですので、東京五輪でも同じような数のメダルが必要となるわけです。そこで登場したのがメダル製造の原料にリサイクル資源を使うというアイデアです。
まとめ
日本にもこんなにたくさんの金が眠っていたんですね。日本の都市鉱山から東京オリンピックの金・銀・銅のメダルが作られるのか楽しみですね。